著作権法附則第十五条第二項と旧著作権法による、演奏歌唱、録音物の著作権
現在、著作権法附則第十五条第二項に記載されている、現行法施行前に、行われた実演、固定されたレコードで、旧法による著作権による保護があったものについて、大学の研究に関連して調査しています。
この条項によると、現行法施行前に、行われた実演、固定されたレコードで、現行法施行時(1971年1月1日当時)に旧法による著作権があったものについては、現行法の著作隣接権の保護期間より、旧法の著作権による保護期間が長い場合は、2020年末を限度に、保護すると規定されています。
日本国内の実演、レコードに関しては確実に旧法の著作権による保護が、実演、レコードに対して与えられています。
外国では、旧著作権法のように、実演、レコードに対して著作権を与えていた例はほとんどありません。
外国での実演、レコードに関しては、二通りに分かれます。
1.ベルヌ条約加盟国(主にヨーロッパ諸国)
2.万国著作権条約加盟国(ベルヌ条約加盟国は除く)(主にアメリカなど)
2.の万国著作権条約では、国内に特例法が制定されており、その第三条第二項に、相手国で保護する著作物の種類に含まれないものは、保護期間の相互主義により、日本では保護しない、とあります。
これは、相手国で保護されていないものを、保護期間ゼロとして、保護期間の相互主義により、日本では保護しないとする解釈です。
1.のベルヌ条約でも同様に保護期間の相互主義が採られていますが、これについて、特例法や、判例がありません。
「我著作権法と実演芸術家の保護、椎名良一郎、1963」では、ベルヌ条約の著作者の権利として、相手国で保護されていない以上、日本国内では保護する必要は認められない、と仰られています。
これに関して、理由や根拠などは述べられていませんが、相互主義によることは明らかですので、保護期間の相互主義を、万国著作権条約の特例法で採った解釈と同様な見方をしていると思います。
Wikipedia のパブリックドメインの項には、ベルヌ条約では、保護期間の相互主義を、「保護期間」としているから、このような見方はできないとする立場が支配的だと記述されていますが、これもどこでどう議論されているのかわからないので、支配的かどうかわかりません。
内国民待遇は、各国の保護の違いが大きくなければ、著作物を保護する方向に機能しますが、この旧法の実演、レコードのように著作権を与えていた国がほぼ日本のみであったように、大きく異なると、相手国の実演、レコードを保護し、日本の実演、レコードは相手国では保護されないので、日本の実演、レコードの著作物としての保護を低下させます。
条約の目的は、著作物の保護ですから、そのために、相互主義によって、相手国で保護される限度に国内でも保護するとするはずです。
万国著作権条約において、保護期間の相互主義を、保護期間ゼロとして、相手国で保護しない種類の著作物を、日本でも保護をしないと、わざわざ特例法に規定した背景には、諸外国で著作権としての保護がなかった、この旧法による演奏歌唱、録音物の著作権があります。
万国著作権条約は、著作物を例示せず、広く定義し、内国民待遇を強く主張したため、諸外国で著作物としていない演奏歌唱を、日本国内で保護しなければならなくなる恐れが出てきたため、このような解釈を会議場で述べ、承認された、と、万国著作権条約会議に参加した、勝本正晃氏の「現代文化と著作権」でも述べられいます。
このような当時の背景から、ベルヌ条約でも、旧法における演奏歌唱、録音物は、相互主義により、外国で、著作物として、保護されていなかったものは、日本では保護しなかった、とするのが妥当だと思うのですが。
法律はぜんぜん専門家じゃないのでいまいちです。
どなたか、この問題、詳しく知っていらっしゃるかたおりませんか???
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